2023年04月21日

2023(令和5)年 第15週
(4月10日~4月16日)

~インフルエンザ~
 咳エチケット、手洗い、マスクの着用が重要

【定点把握感染症】
「インフルエンザ 非流行期へ」
 第15週の小児科・眼科定点疾患の報告数の総計は1,709例であり、前週比26.0%増であった。
定点あたり報告数の第1位は感染性胃腸炎で以下、RSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱、突発性発しんの順で、定点あたり報告数はそれぞれ4.92、2.21、0.80、0.24、0.22である。
 感染性胃腸炎は前週比11%増の960例で、南河内7.88、三島5.41、中河内5.40、大阪市南部5.28、大阪市西部5.20であった。
 RSウイルス感染症は86%増の430例で、大阪市北部4.43、北河内2.96、南河内2.75である。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は27%増の156例で、大阪市南部1.89、大阪市北部1.14、中河内1.10であった。
 咽頭結膜熱は15%減の47例で、南河内0.63、大阪市北部0.43、中河内0.40である。

 インフルエンザは32%減の231例で、定点あたり報告数は0.78であった。
南河内2.75、泉州1.03、三島0.80、豊能0.69、大阪市西部0.67である。
定点あたり報告数が1.0を下回り非流行期に入った。

~日本紅斑熱~
大阪府では2022年8例の報告があった。
2023年は第15週で1例目が報告されている。

【全数把握感染症】
「日本紅斑熱」
 日本紅斑熱は、紅斑熱群リケッチアの一種 Rickettsiajaponica を起因病原体とし、野山でマダニに刺咬されることにより感染する。
媒介ダニの活動が活発化する4月~10月に発生し、特に9月、10月は多い。
自然界で保菌あるいは感染する動物として、げっ歯類、野生のシカ、イノシシなどがあげられる。
潜伏期は2〜8日であり、頭痛、発熱、倦怠感を伴って発症する。
発熱、発しん、刺し口が主要三徴候であるが、必ずしも、刺し口があるとは限らない。
発しんは、体幹部より四肢末端部に強く出現し、検査所見では、肝逸脱酵素の上昇、血小板の減少が認められる。
治療には、抗菌薬投与が効果的であり、第一選択薬はテトラサイクリン系の抗菌薬である。
また、ニューキノロン系抗菌薬が有効であるとの報告もある。
β-ラクタム系の抗菌薬は全く無効である。

日本紅斑熱(大阪健康安全基盤研究所)
日本紅斑熱(国立感染症研究所)

【大阪府感染症情報センターより参照】
(令和5年4月20日更新)